父親を捜し、肥後から旅を続けていた森八兵衛は、唐人町で父が亡くなっていたことを知る。 その後、大病を患うが唐人町の人たちの介護により一命を取り留める。 自分を救ってくれた人達に恩返しがしたいと、町の子どもに手習いを教えたり、雑用をこなす生活を送る八兵衛。 そんなとき、須崎町でおきた火事に出向いた唐人町の火消しが他の火消しとの間で喧嘩沙汰を起こし、 混乱の中で死者が出てしまう。事態を重く見た奉行所は唐人町の火消しに下手人の出頭を求める。 出頭した者の死刑は免れない。誰が犯人化もわからず、誰を下手人として差し出すかで揉める唐人町の人々。 森八兵衛は今こそ恩を返す時だと思い、自分が下手人だと嘘をつく。 唐人町の人達は、それが八兵衛の嘘だと見抜きながらも、八兵衛を下手人として奉行所へ突き出すのだった。 |